更新。
今月もやって参りました。
月イチ行事ともなりつつありますブログの更新日。
もはやブログという体裁だけは持ちつつも、
ただの落書き帳にならんとしておりますが、以下本文。
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昨日、夜の12時くらいから友人と飲んでいました。
中高時代の友人なのですが、今、彼は作家をやっています。
「作家」という肩書きにはかなり自己申告的なニュアンスがありますので、
彼の立場を厳密に社会的に評価するならば、所謂NEETにあたるのでありましょうが、
僕は彼を、立派な作家だと思っています。
高校時代から文才に長け、モノを書くことを生業とすることを望んでいた彼は、
江古田にある結構有名な大学の、結構有名な芸術学部に入りました。
そこで彼は、大学内で取ることのできる賞という賞を総なめにしました。
そんな折。
卒業後の進路(就職など)を決めなければいけないタイミングに差し掛かったとき、
僕と彼は池袋のどこかのビルの地下にある、
気の利いた和食のおつまみと、飲めないくらいに熱い熱燗を出してくれる店にいました。
彼は、切り出しました。
「俺はやっぱり書いていくことにする。
なんかさ、書く時間が作れそうな楽な仕事に就いてもいいんだけど、
結局、その僅かな働いている時間ですら勿体無いんだよね。
その時間でさえ、書いていたいと思う。」
彼はそんなことを言っていたと思います。
それから相変わらず年に何回か会って酒を飲むのと、
年に何回か送られてくる彼の新作を心待ちにしていました。
僕は、基本的に村上春樹以外に読書はしないけれど、
彼から送られてくる作品だけは必ず読んでいまいた。
そんな彼と、昨日飲んだ。
彼は今焼き鳥屋のバイトで生計を立てながら、僅かな睡眠時間以外の時間を執筆に当て、
阿佐ヶ谷の古いアパートの6畳の和室に置いた申し訳程度の小さなちゃぶ台の上で、
パーカーの万年筆を滑らせている。
第21回太宰治賞、一次審査を突破したことを彼は淡々と語った。
「出したのは、今考えればイマイチの作品だった。
締め切りが大分昔だったからね。今ならもっと行けるよ。」と。
とても蒸し暑い畳部屋で、僕も同じことを思った。
こいつなら、もっと行けるよ、と。
ビールの酔いが回りすぎて、
3時くらいには2人とも気を失っていた。